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みきろんの部屋

高橋幹の日常などなど。あれこれと、お送りする部屋。

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強くはない。

よく頭に繰り返し響いていた言葉。


「どこにもいけない」


終わりのない閉塞感にいつもつきまとわれて。
息苦しくて。


あの日々を思い出すと、ただただ涙が出てくる。
決して消えることのない傷があることを思い知らされる。


ただただ頑張り続ければ、いつかは乗り越えられると思っていた。
誰かを巻き込むよりも、自分一人で抱える方がずっといいと思っていた。


だけど、あたしはそんなことができるほど。
全然強くなかった。



あたしはごくごく平凡な家庭に生まれ育ち、いや多少平凡より貧乏でしたけれど(笑)
11歳で父親を亡くすまで、これといった大きな家庭内の出来事もなく、
両親に愛されることは当たり前の世界で生きてきた。

父親が亡くなってからも、あたしの日常はさほど大きく変わることはなく。
今なら母親がどれほどの苦労をして、あたしの「日常」を守ってくれたのだろうと思う。
家庭はホッとできる場所であり、帰る場所であり、甘えられる場所だった。

それを「当たり前」に思えるほどの、幸せな「日常」の中をあたしは生きてきた。


だからこそ、大人になって、社会に出て、たくさんの人に出会い、色んな現実を知って。
あたしは傷つくことがとてもとても多くなってしまった。
幸せなこと、楽しいこともいっぱいあったけれど。
どれほどの涙を流したか分からないくらい、哀しくて辛いこともいっぱいあった。

その苦しみをあたしは一人で抱えてため込んで。
笑ってなんてことないって言いながら、気づけば一人で泣いていた。

それでも自分は強いと思ってた。
大丈夫だって思ってた。


いや、全然ダメだったんだけれど(笑)


どん底まで落ちて、見上げた空の温かさに明るさに今までとは違う涙がにじんだ。
それからあたしは泣かなくなった。


今もね、流れる涙はある。
でも、強くないもの、泣きたい時は泣けばいい。
頑張らなくていい。

人間はそんなに強くはない。
一人じゃ生きられないよ。


消えることのない、思い出したくない傷もあるけれど、でも抱きしめて一緒に生きていく。
だってそれってあたしだけじゃない。


たくさんの人の心に、傷はあり。
みんなその傷を抱えて、一生懸命に生きてる。

だからあたしは、大切な人が辛いときにはそばにいたい、涙をすくってあげたい。
決して自分も強くはないから。
簡単に答えはでないかもしれないけれど。
涙を流しながらでも、一緒に歩いていけたらいいのかなって思う。


乗り越えなきゃいけないわけじゃない。
乗り越えたいのなら、ゆっくりと乗り越えていけばいい。
無理をすることはない。


だって、思うほどにずっとずっと、あたしは強くはない。


・・・ううん。


正しくは、あたしはとっても弱いんだ。
だからね。


無理をせず、力を抜いてただ笑ってみる。


ただそれだけで、明日まが頑張れそうな気がする。
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泣いて笑って怒って。
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