そんな話。

どうしようもない。
答えがでない闇。
それでもそこを生きていくしかなくて。

進むことでいつか光に出会えると。
そう信じることでしか進むことが出来なくて。

もがいて、あがいて。


そうしてたどりついた先。



誰かを想うから、人は苦しむ。

大切だからこそ、失ったときの絶望は計り知れない。

その苦しみから救われる方法は、容易ではない。

誰かを憎むことでしか、救われないものもある。



それはきっと、どうしようもない現実だ。

「キレイゴト」では語れない。



自分を正当化して、誰かを憎むことでしか、
救いを見い出すことが出来なくて。


人は弱くて汚くて。
どこまでも、愚かで醜い。



それでも。


醜いほどに憎み合うのは・・・。

温かさを知るから。

なくしたくない温もりを知るから。

そこに、消えない想いがあるから。



誰かを心から大切に想う想いがそこにあるから。



ならそれに敵う「強さ」はきっと。
「弱さ」にも似た、けれど誰もが簡単にはなし得ない。

何千年も苦しみ続けるほどに、なし得はしない。



でも、いつかたどり着けたのなら。
神様だって微笑むかもしれない。

どこまでも傍観者を気取る。
決してそこに介入することを由としない、気まぐれの神様でさえ。



「天秤とＡＬＭＡＧＥＳＴ」


物語の幕をあげよう。